SSブログ

PERT(Program Evaluation and Review Technique) [プロジェクトマネージャ]

PERTは工程管理の手法のことで、PJが持っているリスクを計画に反映させる点と、重点管理が必要な工程を明確にすることができる点が特徴です。

【PDM(Precedence Diagramming Method)】
作業を四角のノード(node)、作業の関連を矢印(アロー:arrow)で表現した図です。
作業の前後関係がひと目で確認できるので、各工程の流れが把握しやすくなります。

pdm.png

★記述ルール
  1. それぞれの作業は必ず前後に結合点を持っていること
  2. 全ての作業は〈終了―開始〉関係にある
  3. 結合点を二度通ってはならない
  4. 各ノードは矢印の方向に大きくなる
  5. 並行作業はダミーの矢印(破線)で表現する

因みに少し前まではコレの代わりにアロー図(ADM)が主流でした。
ADMは作業を矢印(arrow)、作業と作業の接続点をノード(node)で表現します。

【三点見積もり法】
PDMで作業の流れを把握したら、今度は作業の工数を見積ります。この見積段階で三点見積もり法を使用し、下記の3パターンを見積りましょう。

最頻値・・・・・最も出現しやすい値
楽観値・・・・・最良のシナリオで進んだとき
悲観値・・・・・最悪のシナリオで進んだとき

算出した各値から次の式を使って期待値を求め、それを各作業の工数とすると、リスクを考慮したスケジュールが作成できます。

期待値 = (楽観値 + 悲観値 + (最頻値 × 4)) ÷ 6

また、標準偏差を求めておくと信頼範囲を求めることもできます。
例えば期待値が60日、標準偏差が5の作業があったとすると・・・
55~65日で作業が完了する確率は68%です。
50~70日で作業が完了する確率は95%です。

標準偏差 = (悲観値 - 楽観値) ÷ 6
→約68%の確率で、期待値 ± 標準偏差の信頼範囲になる
→約95%の確率で、期待値 ± (標準偏差 × 2)の信頼範囲になる

【CPM(Critical Path Method)】
各作業を重点管理が必要なものとそれ以外に分けて管理する方法です。
クリティカルパス(CP)は、作業遅延がそのままPJ全体に影響する余裕のない工程をつなぎ合わせたものです。
作業の前後関係と、各作業の工数を見積もったら、全体の工数を算出していきます。

単位:日
工程前工程工数ESEFLSLFTFFF
A2122310
BA2344510
CB2566711
D2121200
ED2343400
FE3575700
GC, F1888800
HG1999900
IH11010101000

ES:Early Start Date(最早開始日)・・・・・予定通りなら最も早く作業を開始できる日
EF:Early Finish Date(最早終了日)・・・・・予定通りなら最も早く作業を完了できる日
LS:Late Start Date(最遅開始日)・・・・・この日までに作業を開始しないとヤバイ日
LF:Late Finish Date(最遅終了日)・・・・・この日までに作業を完了しないとヤバイ日
TF:Total Float(トータルフロート)・・・・・総余裕期間、全余裕期間
FF:Free Float(フリーフロート)・・・・・余裕期間、自由余裕

そうして求められた見積もりを見て、TFが0の経路を結ぶとCPが分かるようになっています。
今回のケースで言うと、赤の矢印で結ばれた経路が、このPJのCPになります。

cp.png

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。