SSブログ
プロジェクトマネージャ ブログトップ
前の3件 | 次の3件

システム開発方法論 [プロジェクトマネージャ]

ソフトウェアの開発手法をモデル化したもので、ソフトウェアプロセスモデルともいわれています。ソフトウェアプロセスモデルには様々なモデルが存在していますが、ここでは代表的な八つの開発モデルを紹介していきます。

ウォータフォールモデル


抽象的な設計から、より具体的な設計へと落とし込んでいく開発モデルです。手順は以下の8工程で、各工程にはインプットとアウトプットがあり、アウトプットを成果物といいます。成果物はドキュメントやプログラム、モジュールなどで、これらを次工程のインプットとして引き継いでいきます。
  1. システム分析・要件定義(基本設計書の作成)
  2. 外部(概要)設計(外部設計書を作成)
  3. 内部(詳細)設計(内部設計書を作成)
  4. プログラム作成
  5. 単体テスト(単体テスト結果報告書など)
  6. 結合テスト(ソフトウェアテスト?)
  7. 総合テスト(システムテスト?)
  8. 運用テスト(受入れテスト)

また、次のような特徴があります。
  • 大規模システムの開発に向いている
  • 設計ミスは下流工程ほど影響が大きい

プロトタイプモデル


簡単な試作品(プロトタイプ)を足掛かりに、本格的な製品を作りこんでいくという開発モデルです。新規性が高い場合やユーザ要件が曖昧な場合によく利用されます。ウォータフォールモデルでの開発をベースに部分的にプロトタイプを使うこともあり、ユーザの要件と開発者側の認識相違を早期に発見し易く、開発が本格化する前に修正することができるというメリットがあります。目的を達成した後は、プロトタイプを破棄してしまう場合や、それをベースに開発を進めていく場合があります。

スパイラルモデル


システムの部分単位に要件定義~テストを繰り返しながら(小規模なウォータフォールを繰り返すイメージで)行なわれる開発モデルです。全体を独立性の高いサブシステムに分割し、分割した単位で開発を進めていきます。リスクが最小となるプロセスを選択しながら、少しずつ開発を進めるようなPJに最適で、未経験分野のシステム開発に向いています。

インクリメンタルモデル


最初にシステム全体の要件定義を行ったうえで、要求された機能を幾つかに分割して、設計~テスト段階的なリリースをしていく開発モデルです。性質上、全ての機能が出揃っていない場合でも、最初のリリースからシステムの動作を確認することができます。スパイラルモデルとの違いは、繰り返す工程の範囲で、スパイラルモデルが要件定義も含めて繰り返されるのに対し、インクリメンタルモデルは要件定義は初期段階で全体に対して行い、設計以降を繰り返す点になります。

エボリューショナルモデル(成長モデル)


システムの要素をとりあえず完成させ、段階的に他の要素を追加していく開発モデルです。プロセス管理などのように、どんなモジュールからも呼び出すカーネルを先に開発しておき、完成したカーネルのモジュールを実行環境として利用しながら、シェルを追加していくというOSの開発に向いています。インクリメンタルモデルとの差別化が難しいところですが、一つ一つのサブシステムの完成度を高めていき、システムが成長していくようなイメージです。

ラウンドトリップ


オブジェクト指向開発に於いて、分析と設計、プログラミングを何度か往復しながら、トライアンドエラーで完成させていく開発モデルです。管理人が個人的に業務支援ツールを作成するときは、この開発モデルに近いんだろうと思っています。実際に動かしながら作っていくので、やってる感が高く、バグも発見時に即対応していくので、とりあえず動くものを作るのには最適です。

RAD(Rapid Application Development)


短期間で行うシステム開発モデルです。予め開発期間を数ヶ月間と限定し、少数のグループメンバで常にユーザを巻き込みながら、効率よくシステム開発を行うことができます。生産性向上のため、CASEツールを使用することが多く、短期間で行うためにユーザと一体化したワークショップ(双方向的な学びと創造のスタイル)と呼ばれるものを用います。
また、要件定義・プロトタイプ作成・ユーザ確認(この一連をライフサイクルという)を短期間で繰り返していきます。
また、短期間で開発を行っていくため、次のような特徴があります。
  1. ユーザと一体化した開発
  2. 設計と製造などでそれぞれのスペシャリストに分けない
  3. 計画・開発・テストなど工程毎に分けない

XP(エクストリーム・プログラミング)


10人程度の小チームで、小~中規模のソフトウェア開発に向いた開発モデルです。開発チーム内では、コミュニケーションシンプルさフィードバック勇気の四つの価値を共有し、経験に基づいた具体的な12~14個の実践項目(プラクティス)を持ちます。代表的なものは次の通りです。
  • 顧客を含めた全員が開発チームを構成する(チーム全体)
  • 余計な複雑さを排除する(シンプルデザイン)
  • 1台の開発マシンを二人で共有して常に共同でコードを書く(ペアプログラミング)
  • 小規模な改良を頻繁に行う(スモールリリース)
  • まずテストを追加し、次にそれを動かすという非常に短いサイクルを繰り返す(テストファスト)
  • いつでも、どのペアでも、コードのあらゆる箇所を変更することができる(コードの共有)




情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2014年版 (EXAMPRESS)

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2014年版 (EXAMPRESS)

  • 作者: ITのプロ46
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2013/09/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



物との契約 [プロジェクトマネージャ]

売買契約


ハードウェア機器を購入した時など物を買ったときに交わされる契約のことです。購入した商品は所有権が移転し、固定資産として扱われます。売買契約書が交わされます。

リース契約


ハードウェア、開発ソフトウェアの契約で締結されることが多く、通常、一定の年数(法定耐用年数の70%以上の年数、汎用機は法定耐用年数が6年なので4年)の使用を前提に、リース会社から貸し出してもらいます。貸出し商品は、使用する企業に代わりリース会社が購入します。そのため、途中で解約する場合には違約金(リースペナルティ)が発生します。
リース金額の決定はリース料率により、この料率が2%で契約した場合、1カ月のリース金額は、契約金額(買取り時の購入金額に相当)の2%を意味します。つまり、50万円のPCをリース料率2%で契約した場合、月額1万円になります。
また、リース契約期間終了後に、引き続き使用したい場合は、下取りするか再リースをします。再リースの場合はそれまで支払っていた月額リース金額より安価で期間を延長する制度です。お値段据え置きで、1年間の使用を認めるリース会社が多いようです。
会計上、契約内容によりファイナンスリース(実体としてリース物件に対する融資としての性格が強いリース取引)と、オペレーティングリース(ファイナンスリース以外のリース取引)に分類されます。さらに、所有権の移転が発生するかなどの細かい条件により、賃貸借処理(経費扱い)か、売買処理(資産計上)しなければならないかが決まります。

レンタル契約


一定のレンタル料金を支払い、ハードウェアなどを一定期間借りる契約です。利用者側に所有権がなく全額経費処理できる(資産計上が不要)というメリットがあります。通常は、レンタル会社が修理や保守を行い、解約時の違約金も不要です。
情報システムのハードウェアなどをレンタルする場合、数年以上の契約期間を予め決めておいて、その契約期間に基づいた月額レンタル料金を決めます。レンタルの契約期間が短ければレンタル料金が高くなり、長ければ安くなります。リース契約よりも短期間の契約が可能で、PCを2年毎に最新モデルに換えていきたいときなどは、この契約が使われることが多いようです。その場合、月額費用はリース契約よりも割高になります。

使用許諾契約(ライセンス契約)


ソフトウェアパッケージを利用するときに締結される契約形態のことで、所有権と著作権は開発者側に残り、利用者は一定の期間・条件のもとで使用する権利のみを入手します。ロードモジュールのみの提供となり、ソースコードは提供されません。





情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2014年版 (EXAMPRESS)

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2014年版 (EXAMPRESS)

  • 作者: ITのプロ46
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2013/09/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



人との契約 [プロジェクトマネージャ]

請負契約


主に家の注文建築・ソフトウェア開発などで交わされる契約で、家や情報システムを完成させて初めて対価(お金)がもらえます。注文を受けた側は完成責任を負い、成果物を責任もって納品しなければならず、一方、発注する側は支払い義務を負います。また、受注側は完成責任を遂行すれば、進捗報告する義務はなく、作業場所も自分で選べ、契約書に特に記載がなければメンバの入替えが可能です。

委任契約(準委任契約)


完成責任を負わず、原則、役務の提供(時間の切売り)による契約です。優秀なSEを期間限定でPJに参画させたい場合はこの契約です。完成責任は負いませんが、善管注意義務(善良な管理者としての注意義務)を負います。主に、成果物が曖昧な段階や、相手の能力に対して信頼感が高い場合に向く契約です。
情報システム開発のフェーズで言うと、要件定義~外部設計など、契約段階で不確定要素がある場合は、委任契約にしておいた方が安全です。
ちなみに、委任契約は法律行為を相手方に委託する行為で、法律行為以外の委託は準委任契約になります。(なのでシステム開発は、準委任契約)その部分以外に両者の違いはないので、あまり意識する必要はないようです。

派遣契約


派遣先の指揮命令系統に従うことが義務付けられている契約です。なので派遣先に馬車馬のようにこき使われ、ボロ雑巾のようにならない為に、労働者保護の観点から労働者派遣事業法で細かく規定されています。

請負契約委任契約派遣契約
法律民法労働者派遣事業法
提供物契約で定めた成果物役務の提供
責任成果物に対する完成責任(納期遅延や未完成は債務不履行)。
瑕疵担保責任(通常1年)。
善管注意義務(過失責任は問われる)。
やることやっていれば完成責任や瑕疵担保責任は負わない。
作業方法 委託者(発注者)に指揮命令権はない。
作業場所は受託者が決定。
報告義務なし。
下請けや要員交代も可。
委託者(発注者)に指揮命令権はない。
作業場所は特に規定なし。
求められれば報告する。
下請けや要員交代不可。
派遣先の命令に従う。
作業場所は契約による。
派遣先に従う。
要員交代は可。
著作権契約に定めない限り、受託者発注者(派遣先)


偽装請負


企業と労働者間で請負契約を締結しているにもかかわらず、請負先(発注側)責任者が、法律で定められた権限以上の指示や管理を行う違法行為を指します。2005~2007年頃に大手製造業が摘発され、広く社会に認知されました。
立場を利用して、請負契約や委任契約で作業する別の会社の社員を、派遣労働者と同じように指示・管理するのは、労働者保護の観点で完全にアウトです。派遣契約を締結するか、雇用契約を結ぶように是正指導されます。





情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2014年版 (EXAMPRESS)

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2014年版 (EXAMPRESS)

  • 作者: ITのプロ46
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2013/09/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



前の3件 | 次の3件 プロジェクトマネージャ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。