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スケジュール短縮技法 [プロジェクトマネージャ]

一度作成したスケジュールを、納期の制約や諸事情により、納期の変更なしに短縮しなければならないときに使う技法です。

ファスト・トラッキング(Fast Tracking)


先行タスクの完了をもって後続タスクを開始する計画にしていた、二つのタスクを、先行タスクが完了する前に後続タスクを開始することを指します。

但し、ファスト・トラッキングで止むを得ず並行作業させるタスクは、本来であれば並行作業させたくないタスクであり、納期の制約からくるスケジュール短縮要請にこたえるためのものです。当然、当初の計画と違い、リスクが増大するという点に注意する必要があります。そうでなければ、そもそも計画を立てる段階で並行作業にしてある筈で、新たに発生するであろうリスクに対しては重点管理の対象になります。併せて、再スケジュール(リスケ)は慎重に行っていく必要があります。

クラッシング(Crashing)


スケジュールとトレードオフの関係にあるコストを調整する技法です。納期を短縮させるために、クリティカルパス上の作業にリソース(要員)を追加投入し、予算を追加して全体スケジュールの期間短縮を図ります。

俗に言う人海戦術ですが、投入時期により、要員に求められるスキルが変わってきますし、ある程度の教育(引き継ぎ)期間を見込んでおかなければなりません。他にも、要員の追加だけで回復できる目処があること、コスト増の負担先などを明確にしておくことも忘れてはいけません。

絶対にやってはいけないこと!!


シフトを組み替えて、24時間体制など残業や休日出勤を使いスケジュールの短縮を図るような、いわゆる突貫工事に踏み切ることも、実務ではよく見られる光景ですが、この場合は、絶対に労働基準法などの法律に違反しないように配慮しなければなりません。個人的には、無理して作業時間を延長すればするほど、作業効率や品質の低下に直結すると思っています。体感では、集中してやる5時間は、ダラダラやる13時間よりも、遥かにいい仕事をしている感じです。徹夜による朦朧とした中で作業していて、単純なミス(思い込み)により、致命的なバグを仕込んだ経験もありました。。。

また、テスト作業の期間を短縮するのは、よほど合理的な理由がない限り、絶対にしてはなりません。品質の低下は、顧客に迷惑を掛けるだけでなく、短縮できた期間以上に、システムの改修コストが増加してしまうことになり兼ねません。




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